蚊取り線香を猫はなぜ嫌がるのか?犬への影響と3つペットの蚊対策
猫が蚊取り線香を嫌がるのはなぜか、使っても大丈夫なのかと迷うことがあります。
その不安はもっともで、理由と注意点を整理すると、使い方が見えてきます。
この記事では、次の3つを順番に整理していきます。
- 猫が蚊取り線香を嫌がる理由
- 犬への影響と屋外スプレーの注意点
- ペットがいる家庭の蚊対策3つ
読み終えるころには、蚊取り線香とペットの距離感、人とペットでどう使い分けるかがつかめるはずです。
なお、この記事はメーカーや公的機関の公開情報をもとにした一般的な内容で、診断や治療の判断ではありません。
ペットの体調に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してくださいね。
猫が蚊取り線香を嫌がる理由
猫が蚊取り線香を嫌がるのには、においや体質、部屋の状態が関係していると考えられます。
気のせいではなく、猫の体のつくりから説明できる点が多いのが特徴です。
ここでは、嫌がる理由として考えられる3つを整理します。
理由①煙とにおいが猫の敏感な嗅覚に触れるから
蚊取り線香の煙とにおいは、猫にとっては強い刺激になりやすいものです。
一般に、猫は嗅覚が鋭く、においの変化に敏感な個体が多いといわれています。
そのため、人が気にならない程度の煙でも、猫が顔をそむけたり、その場を離れたりすることがあります。
蚊取り線香に限らず、新しいにおいをいやがるのは、猫が身を守るための反応の一つといえそうです。
理由②猫は化学物質の代謝が苦手な体質だから
猫が蚊取り線香を嫌がる背景には、体質も関係しています。
研究では、猫はグルクロン酸抱合という化学物質を分解する働きが弱く、化学物質の代謝能が他の陸棲哺乳類より低いと報告されています。
これは薬学雑誌に掲載された論文が示す、猫という動物の体の特徴です。
代謝が苦手だからといって、ただちに体への影響につながるという意味ではありません。
ただし、人と同じ感覚で扱うのではなく、煙や成分をためこませない使い方を意識したいところです。
理由③閉め切った部屋では煙がこもりやすいから
嫌がる理由には、使い方の面もあります。
部屋を閉め切って蚊取り線香を使うと、煙がこもり、刺激を感じやすくなります。
キンチョーは、室内で使うときは窓を開けて風通しの良い状態にし、風上に置くよう案内しています。
煙がこもる部屋は、人にも猫にも過ごしにくい環境です。
換気を習慣にすると、猫が嫌がる場面も減らしやすくなります。
線香の煙が届きにくい場面や効果の限界は、あわせて読める別の記事でまとめています。
蚊取り線香の犬への安全性
犬の場合も、蚊取り線香を犬がいる部屋で使って大丈夫かが気になりますね。
メーカーは、犬・猫・ハムスター・小鳥などのペットがいる部屋でも使えると案内しています。
一方で、使う条件や場面によっては注意も必要です。
ここでは、犬への影響、屋外スプレーの扱い、誤って口にしてしまったときの対処を順番に見ていきます。
犬も煙や成分の影響を受けることがある
犬も、猫と同じように煙や成分の影響を受けることがあります。
蚊取り線香を販売しているキンチョーは、犬・猫・ハムスター・小鳥などのペットがいる部屋でも「ご使用いただけます。ただし、十分に換気して使用して下さい」と案内しています。
アース製薬も、犬・猫などのペットがいる部屋で使えるとしつつ、閉めきった部屋や狭い部屋ではときどき換気をするよう呼びかけています。
複数のメーカーが「換気」を条件に挙げている点は、覚えておきたいところです。
ただし、昆虫(カブトムシやスズムシなど)や魚類・両生類・爬虫類を飼っている部屋では使用しないよう注意しています。
同じ生き物でも、種類によって注意の度合いが変わる点は頭に置いておきたいものです。
犬は猫より体が大きいことが多いものの、においや煙への感じ方には個体差があります。
なお、マット式(ベープマットなど)の体への影響については、あわせて読める別の記事でまとめています。
ヤブ蚊バリアの犬への安全性!屋外スプレーの注意点
屋外用のスプレーを犬と一緒に使うときは、少し違う注意が必要です。
ここでは、一般に知られた屋外スプレーの例を取り上げます。
メーカーは、ペットの犬が遊ぶ前に散布する場合について、次のように答えています。
Q.庭で子どもやペットの犬が遊ぶ前に散布したいのですが、注意することはありますか?
A.お子様やペットが直接触れそうな場所への噴霧は避け、周囲を取り囲むように用法用量通り処理してください。また付近に蚊が潜みやすい場所(ヤブ・物陰等)があれば噴霧しておくと効果的です。噴霧直後は薬剤が空間に漂いますので、気になる場合は5分程度経過後に遊ばせるようにしてください。
ポイントは、犬が直接触れる場所に噴霧しないことと、噴霧直後は空間に薬剤が漂うため、少し時間を置いてから遊ばせることです。
製品名にかかわらず、屋外スプレーは用法用量を守り、ペットをいったん離れた場所で待たせるのが基本になります。
ペットが誤飲・誤食したときの対処法
蚊取り線香やペット用の蚊よけを、猫や犬が誤って口にしてしまうこともあります。
ペット用の製品でも、注意書きでは誤って食べた場合は動物病院に相談するよう記されています。
自分で様子を見て判断せず、製品の種類と状況を伝えて獣医師に相談してください。
使用中の線香やスプレーは、届かない場所に置いておくのがいちばんの予防です。
小さな子供やペットがいる家庭では、置き場所を決めておくのも一つの工夫です。
ペットがいる家庭の蚊対策3つ
ここまで、蚊取り線香と猫・犬の関係を見てきました。
ここからは、ペットがいる家庭で取り入れやすい蚊対策を3つ紹介します。
どれか一つに決めるのではなく、蚊取り線香とあわせて場面で使い分けるのがポイントです。
対策①水たまりをなくして蚊の発生を防ぐ
蚊対策の基本は、蚊が発生する場所を減らすことです。
厚生労働省や自治体の情報では、蚊の発生を防ぐには水たまりをなくすことが最も有効とされています。
植木鉢の受け皿、バケツ、古タイヤなど、身のまわりの水たまりを見直してみましょう。
屋外の水をこまめに捨てるだけでも、蚊が増えにくくなります。
薬剤を使う前にできる対策なので、ペットがいる家庭にも取り入れやすい方法です。
対策②ペット用の蚊よけを使う
ペットのための蚊よけも、選択肢の一つです。
動物用医薬品等データベースには、犬の周りの蚊成虫を忌避することを目的としたペット用の製剤が登録されています。
ペット用の製品であっても、用法用量を守って使うことが前提です。
体調や年齢によって使える範囲が変わるため、かかりつけの獣医師に相談してから選ぶと安心ですね。
対策③人用は靴に貼るタイプにする(マジ蚊シート)
人用の蚊よけを、肌に塗らずに使う方法もあります。
マジ蚊シートは、靴の中に貼って使うインソール型のシートです。
天然鉱石を主成分とし、化学成分を使わず、無臭なのが特徴です。
靴に貼るタイプのため、薬剤をペットが直接なめたり触れたりする場所にまく必要がない点が、ペットと暮らす家庭に向いています。
一方で、靴を脱いでいる間や、腕・顔は守れない点には注意してください。
蚊への効き目については断定できないため、詳しい情報はマジ蚊シートの口コミ・評判の記事でまとめています。
ペットと暮らす家庭の蚊対策まとめ
ペットと暮らす家庭の蚊取り線香と蚊対策を、要点として整理します。
- 猫が蚊取り線香を嫌がるのは、嗅覚の敏感さと化学物質の代謝の特徴、煙のこもりやすさが関係する
- メーカーは犬・猫などのペットがいる部屋でも使えるとしつつ、十分な換気を条件に挙げている
- 屋外スプレーはペットが直接触れる場所を避け、噴霧直後は少し時間を置く
- 対策は、発生源を減らす・ペット用の蚊よけ・靴に貼るタイプの3つを組み合わせる
猫が嫌がるのは、気のせいではなく、体のつくりと使い方の両方から説明できるものでした。
蚊取り線香は、換気と置き場所を守れば、ペットがいる家庭でも使いやすい道具です。
そのうえで、発生源を減らす対策や、靴に貼るタイプの蚊よけを足していく。
この組み合わせが、人もペットも快適に過ごす近道になります。
自分たちの暮らしに合った方法を、この機会に考えてみてくださいね。